ごきげんのツボ

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自分から荷造りを始めた義母。家を離れる日 (再掲)  No.275

 

3月13日。毎日のように決断することが増えてきた。義母から呼び出しがあり、義実家へ向かっている。そして今日は義母の97歳の誕生日だ。

 

足に力が入らなくなって、トイレに行くのも辛いと言っている。こんなことは今まで初めてだ。枕元に置いた自分で作ったポータブルの便器を使用したそうだ。それにしてもどこまでもクリエイティブな義母。トイレまで自分で作ってしまっていた。

わたしたちが来るまで隣のMさんと近くに住むわたしの母と弟が駆けつけてくれていた。

もうひとり暮らしはいよいよ限界だ。義母の体の調子は一進一退、家に居たいと言う言葉を尊重してきたが、義母の気持ち優先したら先には進めない。

雑音は気にしない。わたしたちは感情に流されないように集中しなければならなかった。

日曜日なのに相談に乗ってくれたケアマネ。そこで倒れることを心配するのか、家がいいという義母の気持ちに寄り添うのか、正直なところどっちがいいのかわからなくなっていたが、決断しなくてはいけない。明日ショートステイからの準備を始めることにした。

オットはいっそのこと「ボケてくれていたほうがいい」と言っていた。それだったら寂しさを感じなくていいかもしれない。

明日がこの親子にとってつらい日になるかも。わたしが淡々としなければ。

 

《今日の義母の一言》

もう生きるのがきつくなってきたよ。

 

3月14日。

一昨日からの具合いの悪さから見事に復活した義母。昨日はトイレもままならなかったのに、朝起きたらポータブルのトイレは空っぽ、脱水までしていた洗濯物が定規で測ったように干されていた。ほかにも何か色々物が動いている気がする。

えっ?まさか動き回った?歩けた?

あれだけ動けなかったのにキツネに包まれたような気分になって、義母を起こすとスッキリした顔でスクッと起き上がった。

『おかあさん、元気になったんですね?歩けたんですね?』 

「もう、元気よ、どーもないよ」すっ、すっごい、また復活した。それでも昨日決断した通り、まずショートステイの準備を進めなければ。この元気な姿を見たら心が折れ揺らぐ。もう少しひとりでいけるんじゃないか? いや義母ははじめてトイレがままならなかったことで本心ではないにしろ自分から施設に行くと言い出した。

わたしの心配とは裏腹にいつもだったら「わたしはどこにも行かない」と言い張るところだが、今回ばかりは心を決めたのか自ら荷造りを始めた。下着、洋服、薬、携帯充電器、洗面道具、アッという間のパッキングを披露してくれた。

 

この家に住むのは最後、それを悟っているのか居ないのか、その姿を見るのがつらかった。今回はショートとは言え、その間に永遠の施設を探さないといけない。いくつか候補があるので、ケアマネと相談して、その中から義母に合うところを選ぶつもりだ。素直に行ってくれるかどうか…きっと家に帰ると言うだろうな。けどその心配はとりあえず置いといてとにかく今やることをやるしかない。

この家と共に生きたいと言ってる人を引き離そうとしている。オットと言えば、庭の掃除を始める始末、現実逃避もはなはだしいけど、落ち着かない気分なんだろう。

  

今、義母は昼食後の昼寝中だ。さっきは寝言で「行きたくないねー、でも行かんと仕方ないね、ムニャ、ムニャ」と言っていた。寝言と本心が一緒になったかな。

 

家を出る時はどんな感じで?施設に馴染んでくれるかどうか、やはり義母はこの家でしか完結されない気がする。またモヤモヤしてきた。

97歳の誕生日、義母は施設へ行く決断をしたのだ。

 

《今日の義母の一言》

一週間だけ入って、またほかのとこ行くのよね。  

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※これは以前書いたものをまとめたものです。気の向く限り、義母のことをたわたしの勝手な視点で残していけたらと思います。

 


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