一昨日からの具合いの悪さから見事に復活した義母。
昨日はトイレもままならなかったのに、朝起きたらポータブルのトイレは空っぽ、脱水までしていた洗濯物が定規で測ったように干されていた。ほかにも何か色々物が動いている…
『えっ?まさか動き回った?歩けた?』
あれだけ動けなかったのにキツネに包まれたような気分になって、義母を起こすとスッキリした顔で起き上がった。
『おかあさん、元気に戻ったんですね?歩いたんですね?』
「もう、元気よ、どーもない」
すっ、すっごい、また復活した。
それでも昨日決断した通り、まずショートステイの準備を進めなければ。
この元気な姿を見たら心が折れ揺らぐ。もう少しひとりでいけるんじゃないか?
いつもだったら義母は「わたしはどこにも行かない」と言い張るところだけど、今回ばかりは心を決めたのか自ら荷造りを始めた。今までもわたしが手伝わなくても何でも出来た。下着、洋服、薬、携帯充電器、洗面道具、アッという間のパッキングだ。
この家に住むのは最後、それを悟っているのか居ないのか、その姿を見るのが悲しすぎて、わたしの方が涙が出てきた。今回はショートとは言え、その間に永遠の施設を探さないといけない。いくつか候補があるので、ケアマネと相談して、その中から義母に合うところを選ぶつもりだ。素直に行ってくれるかどうか…きっと家に帰ると言うだろうな。
けどその心配はとりあえず置いといてとにかく今やることをやる。
この家と共に生きたいと言ってる人を仕方ないとは言え、引き離そうとしてるのだ。わたしの方が悲しくなってきた。オットと言えば、庭の掃除を始める始末、現実逃避もはなはだしいけど、落ち着かない気分なんだろうな。
人の親が施設に入ったことを聞くのと自分の身に降りかかるのは大きな違い。気丈な義母のおかげで、介護という介護はしないまま終わりそうだが、少しだけ家族の切ない気持ちは理解出来た気がする。
今、義母は昼食後の昼寝中だ。さっきは寝言で「行きたくないねー、でも行かんと仕方ないね、ムニャ、ムニャ」と言っていた。
寝言と本心が一緒になったかな。
家を出る時はどんな感じで?
わたしの方が潤んでしまいそうだ。
まだ頭にたしかにある義母の想いが施設では画一化されて消えていくのではないか…またモヤモヤしてきた。
《今日の義母の一言》
一週間だけ入って、またほかのとこ行くのよね。
悟っているだけに辛い。