ごきげんのツボ

ほぼごきげん、時にはふきげんな日もあるブログ

寂しそうに見えた義母のショートステイ No.257

施設で10日ぶりに会った義母は更に小さく見えた。97歳で家以外に泊まることはかなりの負担だったのではないか、疲れているようにも見える。

 

ここの施設は行事が多く、暇な時間はないはずだけど、義母は食事以外はほとんど部屋だ休んでいたそうだ。まぁ家に居た時も寝ていることが増えていたので当然なのかもしれないが大勢いる施設の中で孤独を感じているのではないかと心配になる。ここに来て初めて団体で過ごす場所が苦手なのかもということに気がついた。一昨年まで自立と判定され、要支援さえもらえなかった義母。もしかしたら自分はまだここに入る状態ではないと拗ねているのかもしれない。

 

誰に相談しても「そりゃ家がいいに決まってるさ、でも仕方ないよ」と言う。慣れるまでのことなのか、ずっとこんな感じが続くのか、それはわからない。

 

その後、4月に移る施設を義母を見学に連れ出した。そこには全力でお世話してくれるケアマネが待っていてくれた。義母の小さな肩を抱き、優しく声をかけてくれた。義母の性格をよくわかっている上に毅然とした生き方を「尊敬しています」と言って、仕事以上に気を配ってくれるありがたい存在だ。

 

義母は部屋をじっくり見学することはなく、ささっと見て「もう大丈夫よ、トイレも近いし」と言って、特に気に入っている様子もなく、家に帰りたいと足掻く気持ちをグッと抑えているように見えた。

 

もう後戻りは出来ない。前へ進もう。

 

今日までのショートステイは当たり前だが少しの荷物と布団だけの生活だった。何もない部屋に横になっている義母の姿を見るのが辛かった。

 

今まで好きな家で、好きなものに囲まれて生活していたのに少しの服と少しの生活用具しかない。新しい施設に行けばもちろん少しは部屋らしくなるのだろうが物にこだわる義母の満足いくようにはならないだろう。

 

 

午前中、自宅の電話が長いこと鳴っていた。庭から慌てて戻り取ってみるとオットのいとこのMさんだった。幼い頃、義母がMさんとその弟のTさんを数年預かり共に暮らしていた。義母は華やかで明るい彼女のことがわが子よりお気に入りのようで、岡山に住むMさんの数ヶ月に一度ご機嫌伺いの電話を心待ちにしていた。先日は孫が刺したというクロスステッチの美しい小箱と自宅や庭の写真を何枚も送ってくれていた。義母は家を見るのが好きなことを察しての配慮だ。気が効くというのはこういう人のことをいうのだ。

 

「おばさんはどんな感じですか?」

 

『実は先日2日ほど歩けなくなり、施設に入ることになりました』

 

「そうなんですね、〇〇くん(オット)が色々動いてくれておばさんは嬉しいと思いますよ、安心しました」

実母を早く亡くされ、義母が母親がわりだったので思いも深いのだろう。

わたしはと言えば義母の本音を見て見ぬふりをしている気がして少し苦しくなった。ほんとはもっと出来ることがあることを知っているのに避けている自分が嫌な人間のように思えてくる瞬間もある。

 

今週末はいよいよ荷物をまとめて新施設へ移動となる。

「ここ(施設)にいると全部やってもらって何にもわからんよーになってきた」という言葉が胸に残り過ぎる。

 

自分で考えることが減る、頭の体操クイズやゲームなどとは異なる実生活でのルーティンが全く変わることは想像以上にしんどいことなのかも知れない。

 

家が好きだよね。

それは痛いほど理解している。

 

《今日の義母の一言》

誰とも話さないと何もわからんようになってきた。

(話せる環境にはあるのだが、コミュ力不足なのかそこまで到達していない様子。昨日は桜見物のドライブに行ったそうだがもしかしたらそこでも馴染めなかったかな。97歳悩ましい…)

 

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ほば庭掃除だけで2日間過ぎた。

 


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