自粛やマスクが強制された３年間が過ぎ、今、やっと世の中が動きだした。世界中の映像ではかなりの違いがあるが、この国もゆっくりと平常心を取り戻しつつあるように映っている。
『わたしはタフだ、どんな状況でも乗り越えていけるスーパーポジティブな人間！』と念じていたが案外そうでもなかったようだ。そう言い聞かせようとしていただけかもしれない。なんの影響もなく自分なりに元気に過ごしてきたつもりだがいざ世の中が動きだすと、「えっ？みんなどうしてそんな簡単に普通に戻れるの？」と思ってしまう。
この３年間は何もなかったかのような顔をしている人たちに何とも言い難い違和感を感じる。この能天気なわたしでさえ、「この状況信じていいのよね？」とテレビからあふれ出て来るGo！Go！なＣＭやニュースに戸惑いがちだ。「わたしはコロナ禍でもずっと動き続けていました」的なメッセージを発する人には「ハイハイ、わかった、わかった」と距離を置きたくなる。
そんな中でも自分なりに仕事もプライベートも騙し、騙しやってきて、こうやってブログを書けていることが奇跡なのかもしれない。義母のことで頻繁に自粛中も実家通いもやった。それなりにがんばったけど、頑張ったらいけない世の中の風潮に見えないビニールテープで囲われながら動いている気がしていた。
病としてのコロナを恐れているわけではなく、世の中のある日を境にポンと変わっていく様子がちょっと怖いのだ。また何かあったらピリピリとした自粛生活が始まるのかと思うとこの状況に『ヤッター！』と簡単に乗れる気がしない。世間の切り替えの速さが不思議で仕方がない。言われた通りに動く…ただそれだけの気がして。
と言いながら、自身も旅行とか行ってるひとりなんだけど、混みあってる場所に行く度、世の中の人がこの３年間がなかったことにしている気がしてならない。「昨日までピリッとしてましたよね？」またあの今まで味わったことがないような何処へ向かえばいいのかわからない世の中がやってくると思うと気が重くなる。
いつまでもそんな昔のことを思い出しても仕方ないのでこれでいいのだろう。わたしの小さな脳みそで深く考えないことにしよう。この状況は間違いなくいいことなんだから。
小さな傷には蓋をして生きる方が楽かも知れない。まさにそんな気分。
さぁ、次はどこ行こうかな。
何の影響もなかったぼくちん。
