ごきげんのツボ

ほぼごきげん、時にはふきげんな日もあるブログ

ありがとうが届きましたか? No.192

『お久しぶりです』

以前、イベントの仕事などで5年間ほどお世話になった某社のY女史からだった。

『わーーお久しぶりです!こないだ社長からYさんのこと電話で話してたんですよー。お元気でしたか?どうしたんですかー?』

ん、?声がちょっと元気ないか?

 

その社長というのはまわりをとことん巻き込んでパワフルに仕事をされる方で、時々近況報告がてら電話をもらっていた。

彼と話していると小さな悩みは悩みの範疇に入らない気になって、自信をつけてくれるというか、いつも元気をもらっていた。

 

『社長が亡くなったんです。それで関わりのあった方々に電話してるんです。昨日まで普通に元気だったのに…久々の電話がこんな内容になってしまって』と涙声で話す電話の向こうはただならぬ雰囲気が漂っていた。

 

『うそ、うそですよね?』と何度も聞き返したがそれは事実のようだった。

職場で受けた電話だったので目の前で泣く訳にはいかず電話を切った後は、そのことは一切考えず年末の雑務に没頭した。

 

まだ61歳だ。

 

帰りの車の中で、一気に現実に引き戻され、涙が溢れてきた。予期せぬ突然の死というのはつらい。

わたしのそれまでの価値観を大きく変えてくれた人だ。生意気で細かいことを言うわたしをバカにせず、丁寧に仕事の取り組み方を教えてくれた。誰に対しても誠実で目を逸らさず、一言で言うと人を大事にする人って感じかな。

 

細やかにやりすぎては先に進まないし、決め事が多すぎると自分でがんじがらめになってしまうこと、とにかくどんな最悪な状況でも越えていけることを身をもって実践され、まわりに伝えられていた。超ポジティブ思考の方なのだ。会社なので利益は出さないといけないがその前にいるのは『人』だということを強く意識されていた気がする。『決して欲張ったらいかんよ、そういう人は自分もまわりも長続きせんよ。』とよく言われていた。謙虚なとこも好きなところだ。

 

お通夜に参加したが今までに見たことがないくらい多くの参列者だった。告別式はもっと多くの人だったことだろう。きっとそこにいた人すべてが心から悲しんでいた。

 

これから会社を背負うことになったみんなと少しだけ話せた。かなり厳しいことを言われる時もあったと思うけど、みんな社長が好きだったと思う。とにかく影響力の大きな人だった。

いつも無茶振りが凄すぎるけど試行錯誤しながら、みんなが突き進む様子を笑いながら楽しんでいる様子だった。

 

通夜の席ではずーっと元気な明るい声が聞こえる気がしていた。とりあえず自粛解除になっててよかった。こんなに大勢の人がお別れに来れてくれて社長はしあわせ者だ。

 

一緒に行った友人と『悲しいけどなんか大きなものもらったね』と言いながら帰った。天に登ってもこれまでの縁が消えることはないだろうし、下界にいる私たちが悩んだ時はその明るい天の声がきっと聞こえてくるはすだ。足元にも及ばないけど、少しだけその思いを受け継いでいけたらいいな。

 

来年もいいことばかりではないだろうけど、きっとどんなネガティブなことも繋いでいれば楽しみに変えていけるだろう。

 

がんばろ。

 

天国でもきっと盛り上がって音頭取ってそう。

たまには背中押しに降りてきてくださいね。

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