話題のミッドナイトスワンへ。
あれ? 混雑を予想していたのに
まだ新しい映画館のせいか予想に反し、数名の観客で観ることになった。
しかも今回は泊まりなので気分もゆっくりしてうれしいばかり!ばんざーい!
映画館では7割方、クライマックス前に15分くらい寝てしまう癖がある。もう見る意味ないレベル。
この日も自信はなかった。
どれどれと…少しだけリクライニングできる快適な真っ赤な椅子に座った。この感じはベッド並、ヤバい、寝そう。
肝心の映画は友人があげていた長編予告も見ていたので予習済みだった。
LGBTの世界は見たり聞いたりで以前より、理解が進んでいるんだろーな程度。
講演会も何回か行ったし…
が、よくある話で退場したとたん、内容もドラマのことのように遠い存在になる。
この映画の世界が少しでもほんとなら、実際の苦しみなんて、想像は容易くはない。
また苦しんでいるというのは勝手な思い込みで、わたしなんかより、充実した人生かもしれないし。
本当のところはわからない。
昔のわたしだったら、あの課長の横にいる女性のような態度で接したかもしれない。『あー、、イヤリングすてきですねー』
言いそう…(本編見て!)
色んな家族問題が盛り込まれた映画。
トランスジェンダーの凪沙(草彅くん)が育児放棄された親戚の子、一果の面倒見ていくうちに自分も深く癒されていく様子が細やかに描かれていく。
ほんとにひとりでもいい、誰かが聴いてあげたり、手を握ってあげてあげればもしかしたら変わっていく人生ってあるんだと、物語に引き込まれていった。眠くなることも一度も無く。
終わってからはモヤモヤが止まらず、衝撃的な映像や結末はあれでいいのか…などと余韻に浸れるのはわたしにとってはいい映画だったと思う。
一番好きなシーンは凪沙と一果が狭いアパートで食事をするシーン。サラダの彩りが美しい。サラダがおいしい店にまちがいはないというように(言うのか?)凪沙自身もこの食卓のように優しかった。
わたし自身、この年になると野菜を食べなきゃ!とか積極的に思わなくなったが、凪沙の『野菜も食べなさい』というのは親の特権のようなもの。もちろん子どもは『きらいだもん』と言う。
自分のために作られた味噌汁とささやかなおかず。それさえ有れば愛情は確認できるだろう。
最初このアパートに来た一果はチップスを食べていた。
凪沙との食卓は言葉は少なくても優しい食卓だった。一果のか細く、消えそうな声も物悲しく、現実に存在する子のようだった。
あの壮絶な演技を見てしまったので
しばらく普通の草彅くんとして見れないと思う。
余韻は続く…夜の炭水化物おいしいな。
プラスパスタ。
この映画をみてあのメイン料理『ハニージンジャーソテー』作った人は多いはず。
今日のメニューはそれしかない!
そしてあの卵焼きはきっと甘いはず。