ごきげんのツボ

ほぼごきげん、時にはふきげんな日もあるブログ

売り上げない店員さん NO.213

 

まずは登山専門店での出来事

昨年からわたしは登山が趣味宣言中。冬の登山ウェアのセール中と聞いて大手の専門店へ。登山ウェアは多種多様で最近やっとどんなものが必要かわかってきた。それでも細かい機能性まではなかなか理解していなくてイマイチ何を買ったらいいかわからない。 接客してくれた多分50代後半ぐらいの男性、髪は白髪だったけど、スリムで生まれる前から山に登ってますよ、ぐらいの知識を持った若々しい山男だった。初心者然とするわたしたちにわかりやすくウェアのイロハを教えてくれた。『さぁ、今から売り込みに来るよ~っ』と身構えていると「ごゆっくり~~」とどこかへ行ってしまった。

これだけ説明したのだから、なんなりと買ってほしいのが普通じゃない? まさに売り込み根性ゼロの定員さんだったがその知識の深さとこの店の商品を愛しているプロ魂を見た気がした。

結局、衝動買いはせず、よく考えて出直すことして、ロングTシャツ一枚だけを購入。ただまたあの誇り高き店員さんに会いに来るのは確実だ。20分ぐらいであったが心をグッとつかまれた。「この人は本当のことを教えてくれる」という信頼を得たことになる。彼にはそんなつもりはさらさらなく、ただ、ただ、登山が好きで、ウェアの良さを伝えたいという気持ちが全身からあふれていたのが気持ちよかった。

 

次に大手のチェーン眼鏡店へ

少し度を上げたくなって、新しいフレームを選んで検診をしてもらっていると、「お客さまの度数は2年前と変わっていません。これ以上、上げると疲れてしまうかもしれません。」念のため度数を上げて再検査、「やはり、見えすぎているようです。前のままで作り変える必要もないかと思われます。目にはよくないです。」『えっ??そ、そうなんですね』(わたしは買う気満々よ。もう財布も握りしめてるのよ・・)

若い感じのいい男性だったが、ここでも目の状況を詳しく説明してくれた。特にフレームが気に入ったわけでもなかったので、結局、手ぶらで帰ることになった。その彼は満面の笑みで送り出してくれたが、こういうチェーン店は売り上げてなんぼの世界じゃないの?今まで上手いセールストークを聞くことはあっても、売ることに消極的な定員さんにはなかなかお目にかかったことはない。

 

どっちがいいかわからないけど、その確かな口調で専門的な話を聞くのが新鮮だったのは事実。わたしは小さなお客ひとりに過ぎないが、こんなに本心での接客を続けているときっと大きな信頼につながると思う。売上げ上げるばかりが店員さんじゃないのかも。それは後々の信頼にも繋がる。

 

結局、軽い登山用のTシャツの入った紙袋だけを持ってモールを後にした。でもなんだか心地のいい一日だった。こういう人たちが実はお得意さんをガッツリつかんでいくのかも知れない。

 

やっぱりわたしは職人気質の人が好きだ。

 

 

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