ごきげんのツボ

ほぼごきげん、時にはふきげんな日もあるブログ

母たちのプライド(姑編)

オットの母は95才。 ひとりで古い家に暮らしている。

そんなバカな⁈と言われるけどマジほんとなのだ。

昔は大勢で暮らした家も今ではひとりで守り続けている。(守っているという言い方は正しい、ほんとに家が大好きな人だ。昔は家族の人数が多く、家の仕事もそれに比例し、そこにいることを好きにならざるしか選択肢がなかったと聞いたことがある。)

嫁いでから70年ぐらい過ごした家をいかに大事に育ててきたかをいつも語っていた。

 

そんな元気な義母でもさすがに、最近は電話がなる度に『何かあったか?』とビクッとする。

 

普段は行政の包括センターに連携していただき、(ほんとに手厚く対応してくれて感謝しかない。)日に2回の見守り配食(結構おいしそう)や週1回ヘルパーさんに来ていただいたり、安全センターにはボタンひとつでつながるようになっていて緊急時には対応してもらっている。

 

そして最近は何かと心配なので月3回以上と決めて、夫婦のうちどちらか帰るようにしている…といっても義母はお金や物の管理はまだほぼ自分でやっているし、頭も体もしっかりしているスーパーなお方なので特にすることはないんだけど…

 

見た目はどー見ても100パーセントおばぁちゃんなのだが『おばぁちゃん』と言われるのをとても嫌う。

デイサービスとかで遊んだり、談笑したりしているイメージがまったく出来ないし、興味も無さそうだ。

いつも冴切ってる義母はわたしにとってもちょっと緊張する存在なのだ。

 

そんな義母もこの夏、庭先で転んで、主治医の配慮でリハビリのために入院することになった。自分自身で完璧に準備した入院セットを持って、私に家の戸締り、新しく買った冷蔵庫の支払い(これも自分で注文)、初盆の方のお供えの準備、あれこれ指示を飛ばし、ガラケーをリモコン替わりに持っていそいそと入院した。

 

この人は本当は何歳なんだろう?

 

義母が入院中、ちょっとした物忘れ的症状が一度出て、本人も私たちも一瞬、オロオロと慌ててしまった。

後で勘違いだとすぐわかったのだが

普段がはっきりした人なので、本人も相当ショックだったようだった。

『病院は刺激が無くて、まわりにお話し出来るような元気な人も居ないのよ。お見舞いはコロナで5分以内だから、寝てばかり居ると夢か現実かわからなくなってきてねー』と早く退院したい様子だった。

 

あー、やっぱり出来るだけ自分で生活そのものをすることが大事なんだ。よく聞く話ではあるが寝てばかりで考えることをしない、上げ膳、据え膳では頭の中がどんどんぼんやりしていくんだろう。

 

退院するにもこの猛暑。帰ったら掃除、草取りとか間違いなくやってしまう。もう少し、完璧に痛みがなくなるまでまで病院で過ごして欲しい。

 

入院中にケアマネさんや主治医の勧めもあり、介護認定を受けることになった。 

出来れば要支援でも欲しい。

認定があるのと無いのでは利用できるサービスがコロっと変わってくる。

がしかし予想通り、ほぼパーフェクトな出来だった。(苦笑)

『じゃーここで気をつけして、ジッと10秒間立ってもらえますか?』

『こうですか?』

片足で立とうとしていた…(泣)

 

『だめだめ、爪は隠さなきゃ…』

 

寝る前のストレッチ30分を欠かさない彼女はとても体が柔軟だし、歩くのも早い。(普段は用はなくても近くのスーパーまでは歩いて行くのが日課

そのほかの質問はとても90代とは思えない見事な解答ぶりだった。自己管理能力があるとはこの人のことを言うのだろう。

 

 

家を切り盛りしながら、ずっと自宅で小事業を営んできた義母は心がタフだし、家での生活が好きなのでとても施設には入れられないと思った。

ひとり暮らしは心配だけど、地域と連携して前向きにいくしかないな。

見守り隊の皆さま、親戚の皆さま、行政の皆さまお世話になります。甘えよう。

私たちも帰る回数が増えるのは必死。

 

世の中、実家問題、親問題で悩んでる人はとても多いと思う。私たちはまだ距離はギリギリ近いし、ほぼ健康でいてくれるからありがたいが、ほんとに遠くの人たちはいったいどうするのだろう。心配は距離に比例するして、少なくなったりするのかな。そんな訳ないよね。

 

そんな姑なので嫁に対する期待も昔は高くて、色々仰せつかったが早い段階から残念ぶりを発揮してしまった。

 

『無理、無理、そんなに家って大事ですか?』って、心の距離を置いていた時期もあった。

 

ダメダメ嫁でごめんなさい。

 

そう言いながらあっという間に30年が経ってしまった。

今ではこの年になってさえ、地元の未来が気になる義母には尊敬しかない。日々、全力で生きてきたのだろう。

足元にも及ばないけど気合い入れて、この実家問題乗り越えよう。

 

自分の家はだいぶ断捨離が進んで機嫌がよかったけど、実家の大荷物に改めて驚いてしまう。きちんと整理されてはいるものの気が遠くなる量だ。いずれはどーにかしないといけないものばかり。

 

全部投げだして、スマホと衣装ケースひとつで生きていきたいとなかば本気で思ってしまう。

 

さぁ、この荷物近い将来、どうするのかなー?

漠然としたモヤモヤが少しずつ大きくなっていく気がする。気になるのは荷物のことだけではない…

 

友だちが言っていた、『暗くなっちゃダメ、空いた時間は地元でおいしいランチ食べて、海で遊ぶくらいの余裕で通わなきゃ!』

そういうことは得意なのですぐ取り入れようっと。

 

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色々お世話になる市役所前の通り

今年は唐津くんちは中止となってしまった…さびしい。

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